【M&A実務】 1次入札の実際の流れ

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M&Aの1次入札はNon-Binding LOIを出すのが目的

通常、入札案件は2次(大体はこれで最終入札になると思います)まであります。大体半年〜1年以内にClosingするのが通常のスケジュールかと思います。

で、1次入札では何をするのかと言うと、「Non-Binding LOI(法的拘束力のない意向表明書)」を提出するのが目的となります。

この辺りは教科書にも形式的な事は書かれているかと思いますが、「じゃぁ、どんな事をどれくらいの量を書くのか?」、ここですよね!

大体の構成はこんな感じで、FAから案内書が届きます
①自社の会社概要
②目的や戦略的な位置付け
③想定スキーム
④価格(企業価値、株式価値)、評価手法、調整項目
⑤資金の調達方法
⑥買収後の事業運営方針
⑦意思決定プロセス
⑧シナジーや対象会社の成長に貢献できる事
⑨DDの内容や範囲
⑩その他特記事項

価格は勿論大事ですが、ラブレターと一緒で、想いが伝わるようにする事が大事です。また、筆者はポンチ絵なんかを付けて提出した事もあります(あまり聞かないですが、ポンチ絵がダメなんて事はありませんから!寧ろ凄く分かりやすかったと高評価でした笑)

お作法的な事が多いM&A業界ですが、こういった所はどんどん新しい事をやっていきたいと思います。

さて作文の量ですが…ケースバイケースですが、大体7〜10ページ以内が最適な量かと思います(あくまでも筆者の経験)こちらに正解などないので、寧ろ10ページ以上書けるのであれば書けば良いと思います。ただ、同じ事を2度書くのはやめましょうね!

IM(インフォメーション・メモランダム)とは?

さてさて、1次入札の目的は「Non-Binding LOI」の提出でしたが、作成するにあたっては、価格やシナジーはどうやって検討するのか?ですよね。それは「IM」といって、対象会社の概要・ビジネス内容・業績・財務情報をパッケージにした資料をベースに初期検討が行われます。

通常、FAから案件が持ち込まれる時には、まず「Teaser」と言って対象会社名を伏せたパワポ1枚程度の資料が提供されます。これをベースにFAは興味の有無を確認してきます(いきなり社名を公開してくるケースもたまーにあります)

ここで興味ありとなれば、NDAを締結する前提でネーム入りのTeaser又はIMが提供されます(たまにIMがないケースもありますが、その場合は検討がきちんとできるように別の資料が用意されます)

Non-Binding LOIを提出するまでのスケジュール

IM配布〜Non-Binding LOI提出までは、大体1週間〜1ヶ月程度かと思います。

「1週間って短くない?」って、思った方もいるかと思いますが、これは期限が予め決められているので、入札参加が遅れればその分検討時間も短くなります。

勿論、FAと交渉は可能ですが、その時は何やかんや理由をつけて、低姿勢でお願いしましょう!ここでは既に駆け引きも始まっており、優先度が特に高い会社さんであれば、結構応じてくれたりします!応じなくても、他社は先行しますからと言ってくれば、受付してくれる可能性は高いです。

ただ、検討期間が1週間だと、マジで担当者は家に帰れない日があります(泣)

筆者の経験では、そのまま床で寝るのは腰を痛めるのであまりオススメしませんw

初期バリュエーションはどうするの?

バリュエーションについては、別の回で詳細に触れたいと思いますが、ここでは初期の段階で大体どんな事をするのか解説します。

DD前の段階なので、たまに「簡易Q&A」を受け付けてくれるケースもあります。ケースバイケースなので、必ずFAに確認しましょう!

受け付けてくれるとなったら、IMで不明な点を確認しますが、ここではバリュエーションに大きく影響しそうな項目のみを確認しましょう!例えば、設備投資(Capex)は大きそうなのに、一切IMで触れていない、とか。ここではやはり、EBITDA/FCFに影響する点を重点的に確認した方が良いです。正常収益力がどこにあるのか、将来はこれがどうなるのか、まずはこの点をできる範囲で担当者は確認すべきかと思います。

そして、シナジーを内部で議論し、バリュエーションに織り込むのかどうか確認します(こちらも詳細は別の会で!)

さてそんな感じで進めて、究極的にざっくりとですが、実務では企業価値は今期予測EBITDAの5倍〜10倍の範囲に収まっていないようだと、割安/割高の可能性があります。今のマーケット水準を勘案するとそんなもんかと思いますが、勿論きちんとマルチプルを確認する必要はあります!(たまに10倍以上だと高いからやらないと内部ルールを設けている会社さんもいますね)

また、対象会社のネットキャッシュもしっかりと確認しましょう!(この辺は教科書通りに確認を一つ一つしていきましょう)

それら重要な項目を確認すると同時に、ダメ元で「価格水準」について確認していきましょう!勿論、「この価格なら大丈夫です」、なーんて事を言うFAはいませんが、これも駆け引きでどんな言葉を引き出せるかは、ホント担当者の腕次第です。

1次入札提出のその後

さて、Non-Binding LOIが出来上がり提出すると、担当者は一気に解放されますので、このタイミングで飲みに行きましょう!ここで初めて1次入札を終えた気分になります。

但し、入札を通過すると、ここから一気に忙しくなり、そして終電の日々を迎える事になる事から、浜ちゃんの「Wow War Tonight」が無性に聴きたくなります(筆者だけかも…誰かと分かち合いたいですねw)

無事通過することを前提に、次回は2次入札の流れについて触れたいと思います。

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